おうちかいだん
その日を境に、私はお風呂に入らなくなった。


いや、入れなくなったと言った方がニュアンスとしては正しいかもしれない。


当然と言えば当然で、誰だってあんな恐ろしい目に遭う場所には行きたくないだろうから。


だけど、お風呂に入らなければ身体が臭い始める。


いくら冬場とは言え、体育の後なんかは特に気になって、クラスメイトから避けられるんじゃないかと思い、私からは近寄らなくなった。


そしていつしかそれは、ゆっくりと私へのいじめに変わって行ったのだ。


最初は大したことじゃなかった。


だけどとあるクラスメイトが、私が臭いというのを皆に言って。


興味本位で私に近付いた人達は、皆同じように鼻を押さえる仕草をし始めた。


そこからは、まるで急な坂道を転がり落ちるようだった。


私には誰も近寄らなくなり、少しでも変な臭いがすると全部私のせいになって。


男子には「臭いから近寄るな」と蹴られたりして、制服は靴の跡で常に汚れているような状態だった。


悪いのは私だ。


お風呂に入らなくなったのは私が悪いから、それは仕方がないと思う。


でも思い出したよ。


最初に私を臭いといったクラスメイトが……私に幽霊の話をした人だって。


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