エリート官僚はお見合い妻と初夜に愛を契り合う
「ふつつか者ですが、今日からよろしくお願いします」
まるで本当に嫁入りするかのような奥ゆかしい挨拶に、ぐっと心を掴まれた。
しかし、ひねくれ者の俺はそっけなく視線を逸らす。
「大袈裟だな。別に、お前はうまい料理だけ作ってくれればそれでいい」
俺の言葉に、花純は少し寂しそうに睫毛を伏せて小さく笑った。
……なんだその反応は。お前は俺のために料理を作る以外、ただそこにいればいい。俺の隣にいてくれるだけで。そのことが不服なのか?
胸の内で問いかけながら、俯き気味の彼女をジッと見つめる。
しばらくしてパッと顔を上げた花純はもういつもの明るい顔に戻っていて、気を取り直したように言った。
「司波さん、お昼はなにが食べたいですか?」
「昼? 今日のところは荷物の片付けと来客を迎える準備で忙しいから、簡単なものでいい」
「遠慮しないでください。私はお料理要員なんですから、リクエストにはなんでもお答えします」
料理要員……? その言葉が引っ掛かり、俺は眉根を寄せる。