エリート官僚はお見合い妻と初夜に愛を契り合う
「仕事部屋があった方がいいだろ? ここを使ってくれ」
「わぁ、憧れの書斎! もしかして私のために片づけてくれたんですか?」
「自分の本を寝室の方に移動させて、少し掃除しただけだ」
まずは花純の仕事道具を整理するため、書斎に案内した。四畳半の狭い部屋ではあるが、パソコンデスクに壁一面の本棚、くつろぎたくなった時のソファセットもあるので、仕事部屋として不足はないはず。
俺自身は公務員という立場上持ち帰れない仕事が多いため、書斎があってもあまり使う機会はなく、ただの書庫と化していた。花純に使ってもらえるなら部屋の方も喜ぶだろう。
「少しって……本棚もデスクも埃ひとつないじゃないですか」
「いいから早く荷物を出せ。配線とかネット関係をやってやる」
「ありがとうございます。実は機械苦手で」
「だろうと思った」
鼻で笑うと、花純がリスのように頬を膨らませる。その頬を片手で下から持ち上げるようにギュッと潰すと、「ぷしゅう」と気が抜けた音がして、俺はクスッと笑う。
「間抜けな音」
「も、もう……! 離してください!」
さっきのキスでも思い出したのか、花純は妙にソワソワして顔を赤らめた。