エリート官僚はお見合い妻と初夜に愛を契り合う

 そうやって笑えば、性格悪そうに見えないのに……。

 余計なお世話とわかっていたので、心の中だけでそうひとりごちた。

 アフタヌーンティーのお菓子やサンドイッチは全部私が食べる羽目になったが、その間に司波さんが自分のことを色々教えてくれた。

 彼は財務省の中でも花形部署である主計局に所属し、各省庁の予算編成を査定する立場にある『主査』というポジションだそう。

 それ以前の経歴も華々しいもので、財務省に入る前は三年間日銀に出向、さらに前はパリの日本大使館で書記官を務めていたという。聞けば聞くほどエリートだ。

「外交官の経験まであるなんて、語学に堪能なんですね」
「俺の場合、英語と仏語だけだからそこまででもない。同僚には五か国語も六か国語も操るマルチリンガルがいる」

 司波さんは謙遜しているらしいが、レベルが高すぎてまったく謙遜に聞こえない。

「比べる相手がおかしいですよ。私、日本語しか喋れませんもん」
「……ああ、そんな感じだな」

 司波さんが半笑いで頷くので、自分から言い出したのにムッとして頬を膨らませた。

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