エリート官僚はお見合い妻と初夜に愛を契り合う
「鯛茶漬けなら作れますけど、もっとお腹に溜まるものがいいですか?」
「いいな鯛茶漬け。この時間からあまり重いものを食べても体に悪いだろうし、ありがたくいただく。そうと決まれば。急いでお前の髪を乾かそう」
そう言うなり、時成さんはドライヤーの風量を最大にし、雑な手つきで私の髪を散らしながら乾かし始める。
「ちょっと、もう少し丁寧にやってください!」
「うん? かわいいぞライオンみたいで」
「適当なこと言わないでください!」
ふざけたノリで言っているのはわかっているけれど、時成さんの口から『かわいい』と言われると、つい頬がだらしなく緩む。
私たちも、ようやく普通の同棲カップルらしくなってきたかな?
されるがままに髪を乱されながら、とくとくと胸に幸せが注がれるのを感じた。
「さぁどうぞ。召し上がれ」
「いただきます」
ダイニングで向き合い、彼が鯛茶漬けを食べる姿を眺める。
ますは、澄んだ色のだしを木製のレンゲですくってひと口。それから、ほんの少し火の通った鯛とごはん、三つ葉を一緒にすくって口に運ぶ。