エリート官僚はお見合い妻と初夜に愛を契り合う
「なーんだ、あなたたち、ただの仕事仲間なんだ。てっきり、家出少年は花純ちゃんをお嫁さんとしてご両親に紹介するために、京都に帰ってきたんだと思った。私のパーティーなんてついででさ」
「えっ? ち、違いますよ!」
泉先生の突拍子もない話に、慌てて顔の前で両手を振って否定した。
そうだ、私には時成さんというれっきとした婚約者がいるって、先生にも報告しておこう。
「あの、泉先生、実はですね……」
「ねえ、せっかくだから一緒に写真撮りましょう? かわいい弟子と孫弟子がお祝いに来てくれた記念」
私が照れてもじもじしている間に、先生はスマホを掲げていた。
「ええ、どうぞ」
先に伏見くんが返事をして、私にずいっと顔を寄せてにっこり笑う。慌てて私も手でピースを作り、先生のために満面の笑みを浮かべた。
パーティーはその後も二時間半程度続いたが、結局、泉先生に時成さんのことを報告することはできなかった。
パーティーの主役である先生は、あらゆるゲストから引っ張りだこだったのだ。