エリート官僚はお見合い妻と初夜に愛を契り合う
でも、結婚式には絶対に先生を呼びたいから、また今度、時期を見て連絡しよう。でも、結婚式……なんて、まだ気が早いかなぁ。
「花純さん、どうせ同じホテルですよね? 一緒に乗っちゃいましょう」
伏見くんの声で、ひとりで勝手に膨らませていたバラ色の未来予想図がぱちんと弾けて我に返った。
私ってば、伏見くんにタクシーを拾わせている間になにを妄想しているんだか。少しお酒をいただいたから酔っているみたい。
「そっか。泉先生が予約してくれたんだもんね、ホテル……」
そう答えて彼に歩み寄る途中で、段々と酔いが覚めていく感覚がした。
言われるまで考えもしなかったけれど、ホテルまで伏見くんと一緒なんだ。部屋は当然別だろうけれど、忘れかけていた時成さんへの罪悪感がちくちく胸を刺す。
こまめに連絡すると約束したのに、今のところ泉先生のパーティーで出た食事の写真を一枚送っただけ。伏見くんと出張を共にしている事実も、隠したままだ。
後ろめたい理由で一緒にいるわけじゃないのだから、もっと早く伝えておけばよかった。