エリート官僚はお見合い妻と初夜に愛を契り合う
「キッチンも悪くないぞ。といっても母の受け売りで俺にはそこまで価値がわからないが、アイランド型のセンターキッチンで、クォーツシンクに、御影石のワークトップ、水道はハンズフリーで水が出る」
「すごい! ホントですか? ますます料理をするのが楽しみになってきました」
「ま、せいぜい頑張れ」
話しながら建物の中に入り、美しい女性のコンシェルジュが三人も待機しているロビーを通って、高層階専用のエレベーターに乗る。
階数ボタンの前に立つ司波さんを斜め後ろから何気なく眺めていると、ほっそりした顎のラインや、瞬きのたびに震える睫毛の長さがよくわかり、改めて綺麗な顔立ちだと感心する。
もっと優しい人だったなら、今頃次のデートの約束でもしていただろうか。
そう思うのと同時に、王子様のようなキラキラスマイルを浮かべた司波さんが私をお姫様扱いしてくれる映像が勝手に脳内に浮かんで、ちょっと胸がキュンとした。