エリート官僚はお見合い妻と初夜に愛を契り合う

 相変わらず偉そうな物言いで突き当たりのドアに入っていく司波さんを追う。そこは、二十畳余りのリビングダイニングだった。

 ゆるやかなカーブを帯びた部屋の角は全面窓ガラスで、東京の景色が一望できる。右手には六、七人は座れそうな巨大ソファ、壁に取り付けられた大型テレビ。

 左手には先ほど彼に自慢されたキッチンと四人掛けのダイニングセットがあり、どれも彼のセンスの良さを感じられる家具ばかりだ。

「独り暮らしにしては、ちょっと広すぎませんか?」

 ダイニングの椅子にバッグを置かせてもらい、いつも持ち歩いているエプロンを取り出して身につけながら尋ねた。

「職場の同僚がよく押しかけて来るんだ。全員独身で気ままだから、ここで好き勝手朝まで酒を飲んだりして……若干迷惑なんだが、その中には上司もいるからなにも言えなくてな」
「司波さんでも、なにも言えない相手がいるんですね」
「お前は俺をなんだと思ってるんだ」

 心外そうな視線を向けられ、顎に人差し指を当てて考える。

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