エリート官僚はお見合い妻と初夜に愛を契り合う
「いえ、花純さん。私はこの、後から入ったくせに私をまったく先輩と思っていない伏見が心底気に入らなくてですね」
「実力は大して変わらないじゃないですか。花純さんへの忠誠心なら俺の方が上ですし」
「忠誠心? 下心の間違いじゃないの?」
「いちいち癪に障る言い方をしないでください」
あ、あれ? もしやあなたたち、本当に仲が悪い?
火花を散らすふたりの間でだらだらと冷や汗を流していると、彼らはやがてフンと顔を逸らし、それぞれ自分の作業に戻った。
料理教室の開始は午後七時。今日は大型連休の祝日に挟まれた平日なので、仕事帰りの男性がひとり遅れているようだったが、七時を過ぎだいたい人数が揃ったところで、私は授業を開始した。
今日作るお弁当は、主食が鮭と大葉の混ぜご飯。主菜は鶏ささみのクリスピー揚げ。副菜は彩りのよいブロッコリーとコーンのサラダ。デザートには飾り切りの基本、うさぎりんごを作ってもらう。
ささみの下処理が少々手間だが、前の日の晩に十五分程度の下処理を済ませておけば、翌日短時間の調理でお弁当は完成する。