エリート官僚はお見合い妻と初夜に愛を契り合う
「婚約者を贔屓するのは当然だろう? なぁ花純」
「えっ?」
こ、こんな場所でなに言ってるの! 司波さん、熱でもあるんですか?
彼らしくないと思いつつも、胸は勝手に高鳴って、頬に熱が集中する。
「えっ? 花純先生の婚約者さん?」
同じキッチンにいたほかの生徒が、興味津々に尋ねてくる。
すると、その言葉を聞きつけ別のキッチンからも次々生徒が集まり、私たちは一気に注目の的になってしまった。
「み、みなさんお料理に集中……」
あわあわしながらなんとかそう言ったが、どうやら司波さん以外の生徒はお弁当がほぼ完成しているらしく、いつの間にか揚げ物の音もおさまっている。
彼らは私たちを取り囲み、代表するようにひとりが声をあげた。
「おめでとうございます! 花純先生」
その言葉をきっかけに、教室内から盛大な拍手が湧き起こる。
「えっと……?」
状況がうまく呑み込めずにぽかんとしていると、柳澤さんが軽く司波さんを睨む。