【完】黒薔薇の渇愛
手を振りながら去っていく桜木の背中を見ているだけで、ひどく胸を焦がされた気がする。
「……最後に変なこと言わないでよ」
意識したくないの。
恋の怖さを知っているから。
周りが見えなくなる
その人の言葉だけ信じちゃう。
なにより、振り回される恋なんてもう懲り懲りだ。
……そう、思ってるはずなのに。
やっぱり桜木からもらった熱が、まだ体中に残ってる。
「……だから嫌なの……恋なんて」
ドキドキしすぎて、胸が苦しくなる。
もうそれだけで、桜木を好きなんだと。自覚せざるを得ないくらいに、頭の中は桜木でいっぱいだった。