【完】黒薔薇の渇愛
「……はぁ」
グラリと力を失くした身体が目眩に襲われたときの様に、側にある電柱に凭れかかる。
『痛い目見ろ』
れみ子のあの言葉は一対なんだったんだろう……。
追いかけてくる様子もない。
それに明日は土曜日だから、れみ子に会わずに済む。
逃げきれた……と思いたいのに。
なんでこんなにモヤモヤするんだろう……。
とりあえず、こんなところで考えたって仕方がないから。
さっさと帰ろうと
「ふぅ……」とため息を吐いて、足に力を入れて歩きだした、その瞬間。
一方通行の道に入ってきた車が後ろから
私の横を通りすぎることなく、止まる。
そして、車の中から数名人がおりてくると
その人たちが私の鼻にハンカチを押し当て、落ちてくる目蓋に抗えず。
叫ぶことも、抗うこともできずに
ものの数秒で意識を手放した。