【完】黒薔薇の渇愛
「っと、それじゃあ誰からこの女やる?」
私が色々思い出してる間に、強面のひとりの男が持っていたグラスをテーブルに置き勝手に話を進めていく。
大きなテレビだけが部屋を明るくし、二本のマイクがソファには転がっている。
ここって……カラオケ?
でも、そうなると隣の部屋には別の客だっているかもしれないのに。
なんでわざわざ人目につくところを選んだんだろうと、不思議に思っていると。
自分の考えの甘さに嫌になってくる。
「俺いっちばーん」
金髪の細い目をした男は、鼻歌交じりに言うと
カラオケの音量を上げていき、テレビに映る芸能人の声だけが脳に響く。
「……っ、」
うるさい。
思わず耳を塞ごうと手を動かすけど
男はソファに寝転がったままの私の脚の間に膝を入れ、覆い被さった体勢で両手首を掴んできた。
「なっ……なにするんですか」
「またまたー、純情ぶっちゃって。
って、拉致られた挙げ句、この唐突すぎる状況じゃ分かんないか」
「……っ」
「でも別にいいよね?
男三人の相手した後、ちゃんと帰れるから。
君は何も気にしなくていいよ」