【完】黒薔薇の渇愛
優理花さんは立ち上がり、私たちのいるソファの前にしゃがむと。
私に目線を合わせた。
「あんたがやられる姿……ここで見といてあげる」
「……っ」
「気持ちいいことしてもらいな?
男知ったら桔梗のこと忘れて、すぐに誰でもよくなるから」
「……やっ、」
「はじめて」
「りょーかい。」
見てる、見てる、見られてる。
男の指が私の制服のボタンに手をかけ、慣れた手付きで外していく姿を
一秒たりとも見逃すことなく、男たちと優理花さんは楽しそうに見ている。
「ウブな子とやるの初めてかもー。
桜木に近づく女って、派手な子多いんだよな~。
だから新鮮でラッキーって感じ」
「いつも女与えてやってんの私なんだから、感謝しなさいよ」
「いつだってしてるよ優理花お嬢様」
目の前で聞かされる下衆な会話に、耳を疑う。
いつも女を与えてる。
そう言った優理花さんの言葉に罪の意識は感じられず。
この人は、桜木に近づく女をこうやって排除してきたんだ……。
顔は綺麗でも心は醜い。
心底軽蔑した目を、無意識に彼女に向ける。
スカートのポケットに入っている携帯が『ヴーヴー』と振動し始めるけど、反応できる状況じゃない。