【完】黒薔薇の渇愛
「さ……触らないで……っ!」
震える手で、服に入ってきそうになった男の手を払い除ける。
テレビから流れる売り出し中の歌手たちの声は、この場にそぐわないラブソングを歌っていて
なぜかこの時だけ気味が悪いと感じてしまう。
金髪男はコキコキと左右に首を鳴らすと、私のメガネを取って、床に投げるように捨てた。
ピリついた雰囲気は、私の抗いにトドメを刺した。
「うっせーな……今いいところだろ……。
女は黙って感じてりゃいいんだよ」
「……っ」
グッ、と。男の手が押し当てられる様に無理やり制服の中に入ってきた。
ザラついた男の乾いた手。
口笛を吹いて嘲笑う男たち。
目の前には……口角をあげた満面の笑みを見せる優理花さん。
「そうそう……大人しくしてろよ、痛い思いはさせねーから」
「……」
気持ち悪い。
でもどうすればいい。
どうしたらこの状況から抜け出せられる。
嫌だ、失いたくない。
こんな男で、私の初めてをーー……。