【完】黒薔薇の渇愛
「もぉー、なに。天音ちゃんさっきから俺の邪魔ばっかして意味分かんないんですけど」
「ぼっ、暴力はダメ!!」
「……」
今この状況でそれ言う?と、しかめっ面の桜木が表情で伝えてくる。
確かに、もう奏子を助ける義理はない。
けど、やっぱり誰であろうと痛いことされるのは嫌だよ。
「あっまぁ!一気に糖分過剰摂取した気分。
天音ちゃんの『天』って漢字『甘』の方に変えようよ」
「絶対やだ!!」
「てかさー、もうちょっとギュッとしがみつく力込めてくんない?」
「へっ?」
「あーあ、いいねぇ。
天音ちゃんの柔らかい感触。
俺の脚に当たってますけど、ご褒美でもくれてんのー?」
「ーーっ!??」