俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
この二人の勝負が、制限時間10分。ということになるのか。
「ちっ…侵し壊せ!魔毒『夢魔』!」
(あっ…!)
黒い翼の彼の手には、黒い羽根。
黒い光を伴った黒いカラスの羽根を、神威さんに向かって投げつける。
あれは…なずなの体を蝕んだ、毒の羽根!
息を呑んで見守るが、神威さんはその羽根をも大剣で簡単に弾き飛ばす。
すると、振り上がった大剣は、再び電光を伴う。
「神剣咒【雷同魔破剣】!」
大きな一振りが雷の刃となり、轟音を上げて黒い翼の彼の真っ正面に襲いかかる。
「くっ…!」
細かい黒羽毛が集まり盾となったが、威力に耐え切れず弾け飛ぶ。
だが、彼は身を捩って攻撃を回避すると、後方にあったテーブルが吹っ飛んでガシャン!と大きな音を立てる。
「ああぁぁ、オーナー!これから団体予約入ってるんですから、店壊さないで下さいよぉぉ!」
「大丈夫、咲ちゃん。結界解けば元通りになるから」
「仕込みもしなきゃいけないのにぃぃ…」
切実な事情ですよね。
本当に、すみません…。