俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
「あ、謝らないで?こういうこともあると想定して働いている身だから!」
「そうだ。伶士殿よ。これは俺たちの戦いでもあるしな」
「…えっ」
俺たちの戦いでもある?って…。
伶士殿って、おまえもか。
顔を上げたそこには、フロアの戦況を黙って見つめる美奈人の真剣な表情が。
「あのリグ・ヴェーダ…『マントラ』には、優や和羅叔父さんが、仲間があんな目に合わされた。まだ生き残っていて、何か仕掛けてくるとなれば黙っちゃいられん」
俺もつられて、その先を見る。
神威さんと黒い翼の彼が、ぶつかり合っている状況を。
「…それに、俺はこの世界を護りたい」
黒い羽根が舞い、雷が散りばめられている。
神威さんは大剣を構えてしゃんと立っているが、彼の方は黒い羽毛を両腕に纏わせながら、体を屈ませており膝が付きそう。
こっちが優勢なのか?
「…相っ変わらずムカつく物理攻撃だね!」
「うるさい!こっちだって頭にきてんだよ!…優や和羅をあんな目に合わせて、自分の仲間がいなくなってもまだ、あんたが何かを企んでいることが!」