俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~

え。まだ生まれて一ヶ月しか経ってないのに、もう【神童】決定なの?

言葉の通りか、美奈人はびわたんを縦抱きにしてバトルの全容を「ほーらほら」と見せているようだ。

ただ「あー」と声を出すびわたんに、同情と疑問の目を向けていると「わはは」と笑われる。

「びわたん、もう霊力暴れん坊なのよ。言葉喋れるようになったら、速攻ガーディアン契約するんだ。決定事項。…びわたんが神童になったら、にーたんがびわたんのために、スーパースペシャルブレード作ってやるからにゃー?」

…そんなの、ある?

もう苦笑いしか出てこない。



だが、そんな中で、戦況が傾く。



「くっ…!」



今の神威さんの一撃で、彼がガクッと膝をついた。



「…うぉぉ!今だ、神威!『相殺』!」



横で、美奈人が興奮して叫んでいる。

まるで、プロレス観戦の客のように。

…しかし、本当に今、らしい。

神威さんは、「わかってるっつーの」と呟き、右肩に大剣の柄を担いで、空いた左手で印を結ぶ。



「…静寂の狂風、理の雷…」



一瞬、時間がピタリと止まったような気がした。
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