俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
すると、円状の魔法陣が黒い翼の彼の真下にレーザーで描かれたように、みるみると出現する。
彼を中心とし囲むように、パチパチと電光を放っていた。
「…ちっ!」
彼の顔が歪む。本当にまずいといった表情だ。
彼にこんな顔をさせるなんて、この人…相当強いのでは。
そして、印を掲げて口を開く。
「…天獅子相殺【疾風迅雷】!」
「ああぁぁっ!…このおおぉぉっ!」
神威さんの声に反応するように、外周の円から無数の雷が立ち上る。
同時に、彼が咆哮をあげると共に、地に落ちていた黒い羽毛までもが竜巻のように、全て立ち上った。
そして、爆発音が起こり、爆風の衝撃で辺りが見えなくなる。
「やった?やったか?!」
美奈人の声が響くが、視界が開けたそこにはフワフワと舞ったままの黒い羽毛と、渋い顔をした神威さんのみで。
彼の姿はなかった。
本当に…やったのか?
しかし、黒い羽毛が滞空したまま漂っているのが、やたらと不気味だった。
見覚えのある…と、思っていたら、神威さんがハッと顔を上げる。
「外したっ…【梵天勧請曼陀羅陣】!」