俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
…そうだ!
これ…爆発するやつ!
だが、気付いた時には既に遅く。
「危ない」と声を出す前に、黒い羽毛ひとつひとつが爆弾となって、爆竹のように間髪入れず次々と爆発していく。
あまりの爆発の連続と衝撃に、ギャラリーの俺たちは反射で頭を抱えてカウンターの下に伏せてしまう。
「ああぁぁ!オーナー!」
咲哉さんは、ビビりながらもカウンターから顔を出そうとするが、爆発は続いており、また伏せた。
びわたんだけが呑気に「うー!」と手足をバタバタさせていた。
「…まじぃな、これ」
元気になっちゃったびわたんを抱いてあやしながら、美奈人はボソッと呟く。
爆発が落ち着いたと見計らって、美奈人はカウンターから顔を出した。
「神威!大丈夫かぁっ!」
美奈人に続いて、俺も顔を出す。
爆発でテーブル椅子や店内はめちゃくちゃになっていたが。
神威さんは、両手で顔をガードしたまま膝を付きながらも立っている。
命は無事なようだ。命は…。
だが、ホッとしている間もなく。
そこらに散らばった黒い羽毛は、一ヶ所に集まり出し、人間の形を作っていた。