俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
「危ない…本当に『相殺』されたかと思ったよ?…さすが、アイヌの呪術師の末裔」
どこからか話し声だけは聞こえるが、黒い羽毛が象ったカタチのものが、実体化していく。
再び、黒い翼の彼が姿を現したのだ。
やられてなかった…!
「やっぱり。手応えなかったと思ったら、そういうことか…」
「『相殺』発動コンマ一秒の差?自ら分子変換して逃げたんだ。本当に危ない危ない。しかし本当に反応いいね?咄嗟に結界でこの爆撃ガードするなんて?」
「褒め言葉?になってない…」
目つきを鋭くして再び大剣を構える神威さんだが、さっきより息があがっている。
さっきの爆撃がダメージだったのか?
「やばば。形勢逆転された」
美奈人が苦い顔をして呟く。
「神威はおばさんだ。アラフィフだ。おばさんだから、もうスタミナ残ってない。もう持たねえぞ…」
「えっ」
神威さん、アラフィフなの?全然見えない。
じゃなくて。
やはり、見たまんまで、ダメージが相当大きかったのか。
確かに…見るからに、よろよろしている。
だが、そこで咲哉さんがこっちに呼び掛けてきた。
「…美奈人!アラート解除15秒前だ!」