俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
四分休符の間をきちんと守った咲哉さんは、そう叫びながらも普通にポチッとスイッチを押す。
液晶パネルには《convert!》という文字が表示された。
途端に、先程の耳鳴りが再び耳を襲う。
体がフワッとする感覚がした。浮いてないのに。
店内が赤く染まって、グニャリと歪んだように見えてきた。
この状況を察したのか、フロアで対峙している二人も、一瞬顔を上げる。
空間が…捩れている。
だが、その捩れは徐々に停まる。
そして、逆再生するかのように、逆回転をして徐々に元の姿に戻ろうとしていた。
…その時、人の気配を感じた。
《…出でよ、守護神…》
微かに、響く声がする。
甲高い、女子の声だ。
捩れた空間が徐々に戻る光景を目の前にしながらも、声の主を探そうと辺りを見回す。
だが、空間が元の姿へと完全に戻りきると同時に、あの金の帯を体全体に纏った女子がそこへ飛び込んでくる。
「…【五方五龍・中央黄龍王】!」
登場するなり、彼女の両手からそれぞれ金色の鞭状のものが唸りをあげて飛び出す。
「神威さん退がって!…【龍鞭】!」