俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~

そして、改めてみんなに挨拶をして、店を出る。

なずなも一緒に席を立って、俺の後に着いて店を出てきた。

…これは、お見送りしてくれるのか?

そういや、付き合ってんだもん俺たち。



「…明日は?」



帰りの挨拶のように、明日の予定をなんとなく聞いてしまう。

「明日は、夜に仕事だけ。そっちは?」

「明日は練習試合だから、夕方までかな」

「そっか」

予定が合わない。

…でも、その隙間の時間でも何とかして二人で過ごしたいっていうのが、本音であって。

「場所はどこ?すすきの?」

「うん。定期の見回りだけだから」

「おっ。じゃあその前にどっか行っとく?」

「街で小一時間くらいなら…」

「わかった。終わったら連絡するわ」

「うん。また明日」



そして、手を振り合ってから、忠晴がドアを開けた車に乗り込む。

なずなと忠晴が少し言葉を交わしてから、ドアは閉まって。

車が発進しても、お互い見えなくなるまで手を振り続ける。



また、明日。



この一言で、明日も俄然ヤル気になれる…。

< 153 / 541 >

この作品をシェア

pagetop