俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
そして、改めてみんなに挨拶をして、店を出る。
なずなも一緒に席を立って、俺の後に着いて店を出てきた。
…これは、お見送りしてくれるのか?
そういや、付き合ってんだもん俺たち。
「…明日は?」
帰りの挨拶のように、明日の予定をなんとなく聞いてしまう。
「明日は、夜に仕事だけ。そっちは?」
「明日は練習試合だから、夕方までかな」
「そっか」
予定が合わない。
…でも、その隙間の時間でも何とかして二人で過ごしたいっていうのが、本音であって。
「場所はどこ?すすきの?」
「うん。定期の見回りだけだから」
「おっ。じゃあその前にどっか行っとく?」
「街で小一時間くらいなら…」
「わかった。終わったら連絡するわ」
「うん。また明日」
そして、手を振り合ってから、忠晴がドアを開けた車に乗り込む。
なずなと忠晴が少し言葉を交わしてから、ドアは閉まって。
車が発進しても、お互い見えなくなるまで手を振り続ける。
また、明日。
この一言で、明日も俄然ヤル気になれる…。