俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
「………」
…兄貴、乗り移っちゃダメ?
しかし、忠晴さん的にはそこが大問題らしい。
「普段の伶士さまなら、そんな頼智さまのような相手も期間も不明な怪しい外泊は致しませんし、頼智さまのような無茶振りはもちろん致しませんし、頼智さまのように『頼めるかな?』というような言い方はしません!『忠晴お願いぃ…』といったところでしょうか。…信じられませんっ!」
「………」
日頃相当、バカ兄貴に手を焼いているんですね。
だから、伶士が兄貴みたいな要望を突き付けてきたから、このパニックなんだろうか。この嘆きなんだろうか。
だが、この執事。タダでは引き下がらない。
『いったいどなたと、どなたの家に外泊されるというのです?いったいいつまで?何の理由で!』
追及の嵐だ。まるで親…無理もないか。忙しいしゃちょーたちに代わって教育係やってるようなもんだし。
だが、かわいいおぼっちゃまは、予想外の返答をしてきた。
『まあまあまあ。そんなに怒らないでよ?テスト近いから、友達と集中的に勉強しようと思ってさ?頼むよ?』