俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
「…ですが、私も祖父の代から橘家に仕える身として、ここで引き下がることなんて出来ません。もし、伶士さまが変な事件にでも巻き込まれていたなら、親族に合わす顔がありません。…なので、私はしばらく様子を見ることにしました」
「様子を見るって?」
「平たく言えば、張り込みです」
「えっ!」
このまま、ただ言いなりになることはできない。さすが、スーパー執事だ。
そう思った忠晴さんは、最寄りの地下鉄駅で伶士を車から下ろしたのち。
車で、伶士を尾行する。
「洗濯物の引き渡しは、早朝六時半に地下鉄駅南郷7丁目を指定されました。恐らく地下鉄のトイレで着替えてから学校に向かうという寸法でしょう」
「で、宿泊先がわかったのか…」
「地下鉄駅から程ない距離ですよ」
そして、車で伶士をそろりそろりと追う。
すると、とあるマンションの前には、なんと、女。
女がマンションの前に立っていて、手を振りながら伶士の方へと駆け寄っていったのである。
そして、仲良く腕を組み、マンションの中へと入っていった…。