俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
距離を取ったのも束の間。体勢を整えている最中に、今度はテグスの刃に魔力が急激に集まっていた。
「…【火蜘蛛之霊】」
すると、刃が纏った魔力は炎へと姿を変える。
炎!飛び道具?…反撃間に合うか?
「…ナウマク・サンマンダ・バザラダン…センダ・マカロシャダ・ソワタヤ・ウンタラタ・カンマン!」
霊力掌中させた私の掌には、透き通って渦を巻いた水が霊力と絡まって溢れ出る。
「…陰陽五行【万波】」
水を操るのは得意ではないが、炎には水。
慎重に、十分に霊力を乗せてから、それを地に叩き付ける。
…これは、防御壁だ。
すると、そこから間欠泉のように水が次々と噴き出しては、すでに放たれていた炎の飛び道具を相殺して消していった。
そして、その様を横目に素早く潜り抜けて、標的の間合いに入る。
術の切れ目に出来る一瞬の隙を突いて、カウンター。刃を持つ彼女の懐を狙う。
私が既に至近距離にいることに気付いて、敵さんは大きく目を見開かせている。
攻撃は最大の防御。