俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
ダメだ…ダメだ!行かないでくれ!
燃やさないでくれ!俺の大切な人を!
…奪わないでくれ!
(やめてくれ…!)
「……お手数おかけしました。まさか、こんなことになるなんて…」
「なぁーに。逆にこんなことしか出来なくて悪いな?…本当は一緒にあのクソヤローをぶん殴りたいんだけどさ。なんせ霊力安定しないもんだから…」
ハッと気が付くと、視界はまだ暗闇だったが、男女の話し声が耳に入ってきて我に返る。
「…そんな。貴女の手を煩わせるまでもないですよ。自分らが決着をつけます」
「だから、気負うなよ。そこがおまえの悪い所だ」
声の主は…女の方は聞いたことないけど。
男の方は…菩提さんか?
俺の傍で、菩提さんが誰か女の人と喋っている。で、間違いない。
恐る恐る目を開けるが、まだ瞼が重く薄っすらとしか開けることが出来ない。
だが、その細い視界に映ったのは…また、さっきとは違う天井だった。白くて、辺りが薄暗い。
さっきとは違うところにいるのか?
俺、また寝かされているのか?