俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
寝ているだけじゃ、わからない。何の情報も得られない。
なずなのことも。
そう思って、重い体をゆっくりと起こす。
本当に鉛のように重たい。頭もクラッとして軽く眩暈がした。
肘を突いて起き上がるのがやっとだ。
だが、現在の自分の状況に気付いて、驚愕せざるを得ない。
顔には緑の酸素マスク。寝かされているベッドの傍には、点滴台。
周りには、誰もいない。
もしかして、ここは病院…?
何なんだ俺は?事故に巻き込まれたとでもいうのか?
だとしたら、さっきの部屋にいたのは何なんだ?
どうやって、俺はここに連れてこられた?
(………)
わからない…。何も、覚えてない。
途端に、全身がザワザワとしてきて、体を支えている肘がガクガクとする。
重なる疑問が、何もわからない不安が、こんなに脅威となるなんて思いもしなかった。
その時、再び部屋のドアが開く。
そこには、先程俺の傍で話をしていた人が、何故か俺の親父と一緒に現れた。
「…伶士!」
「伶士くん、目が醒めたんだね」