俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~

二人は速やかに寄ってくるが、顔を見ただけで、俺の不安や疑問が晴れるわけがない。



「親父…今日は、何月何日だ?」

「は?どうした?…まだ顔色が良くないから寝てろ!」



そう言って、俺を無理矢理布団の中へと押し戻そうとする。

質問に答えて貰えない、ただそれだけで妙にイラッとしてしまい、その手を力なく払おうとしてしまった。

「伶士?!」

手を払われた親父は、ギョッとした目で俺を見る。

だが、それにもイラッときてしまい、睨み返してしまった。

「だから!…今日は何曜日だよ。何で俺、こんなところで寝てるんだよ!」

「伶士、落ち着け!」

「伶士くん、まだ体が回復していないから、無理しない方がいい」

そこで、菩提さんが間に入ってくる。

だが、今度はそこへ矛先を向けてしまった。



「…菩提さん、なずなはどこですか?」

「え…」


…その時。

菩提さんの顔色が、微妙に変わった。

一瞬ではあったが、俺の発言に驚いたかのように、目を見開かせたのである。



この人、何か知ってる。

けど、何でそんな顔するんだよ。

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