俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~

またしても急に体がザワッとした。

俺の頭にふと過ったのは…先程見た夢の映像だった。



なずなが、黒い炎に攫われて、燃えていく…。



(まさか、なずなに何か…?)



混乱した頭の中では、やはり冷静になることが出来ず、短絡的に焦燥感に駆られた。

そして、カッとなり攻撃的になる。



「なずなは?なずなは何処にいるんですか?!…何があったんですか?!」

「伶士くん、落ち着いて」

「そうじゃなくて!…なずなは何処ですか?」

「なずなは…ここに居ない。でも大丈夫だよ」



…大丈夫?

答えになっていない。

いない、その理由を、何ではっきりと言ってくれないんだ?



そんな曖昧な返答では納得出来るはずもなく、不信感は最高潮に募る。

気付いたら、怒りを顕にしていた。



「大丈夫?!…何かあったんですか?何がどうなってるんですか?!…何でなずなはここに居ないんですか!…なぁ?!」

「やめろ!伶士!」

「落ち着いて、落ち着いて、ね?」

「…だから、なずなはどうしたんですか!何で!何なんだよちくしょう!…ああぁぁっ!」

< 319 / 541 >

この作品をシェア

pagetop