俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
またしても急に体がザワッとした。
俺の頭にふと過ったのは…先程見た夢の映像だった。
なずなが、黒い炎に攫われて、燃えていく…。
(まさか、なずなに何か…?)
混乱した頭の中では、やはり冷静になることが出来ず、短絡的に焦燥感に駆られた。
そして、カッとなり攻撃的になる。
「なずなは?なずなは何処にいるんですか?!…何があったんですか?!」
「伶士くん、落ち着いて」
「そうじゃなくて!…なずなは何処ですか?」
「なずなは…ここに居ない。でも大丈夫だよ」
…大丈夫?
答えになっていない。
いない、その理由を、何ではっきりと言ってくれないんだ?
そんな曖昧な返答では納得出来るはずもなく、不信感は最高潮に募る。
気付いたら、怒りを顕にしていた。
「大丈夫?!…何かあったんですか?何がどうなってるんですか?!…何でなずなはここに居ないんですか!…なぁ?!」
「やめろ!伶士!」
「落ち着いて、落ち着いて、ね?」
「…だから、なずなはどうしたんですか!何で!何なんだよちくしょう!…ああぁぁっ!」