俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
「ヘルパーにはなってないよ。なずな大変なんだ。萎びて痩せて孤独死の可能性があるんだ」
『は?萎びて孤独死?…何を言ってらっしゃるのですか?』
忠晴の口調が冷たい。そして沈黙が多いあたり、ワケわかってないのか。
ちっ。上手く伝わらない…!
「と、取り敢えず。俺の着替え持ってきて。で、なずなにメシ作ってやってよ」
『………』
「ね、ねえ、忠晴」
『いけません。取り敢えず一度お帰りになって下さい。伶士さま』
「は、はぁっ?!」
まさか、忠晴からお断りされるとは思わず、混惑しかける。
だってだって、外泊も行き先わかっていれば良いっていつも言ってくれるのに!
『伶士さまは一応病み上がりなのですよ。それなのに介護ヘルパー気取りだなんて…』
「お、俺は大丈夫だよ!俺よりなずなが大変なんだ!」
そして、また沈黙。
…この沈黙、ドキドキする。
『…いいえ、なりません。一度お帰り下さい』
「何で!…俺は帰らない!帰らないぞ!」
『では、私めがお迎えに上がります。…なずなさんちですね?』
「来るの?来るの?じゃあ、着替え持ってきて…」
『………』
「たっ、忠晴っ…!」
通話はブツッと切れた。