俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
(あ、あわわ…)
言葉の続きを遮るように切られた通話。
ツーツーと不通和音が寂しく聞こえていた。
忠晴が沈黙のまま、急に電話を切った。
これは…『誠に意にそぐわない』の意味であって。
え。え…忠晴、怒ってる?怒ったの?
まさかの展開に、スマホを手にしたまま茫然とする。
側からは、なずなのため息が聞こえていた。
「前から思ってたけどさ…伶士って相当おばかなの?」
「はっ…」
「今の伶士の会話、イミフなんだけど。なんでヘルパー云々の話になる?で、忠晴さんに甘え過ぎ」
「………」
おばか宣告には反論しようと思ったが、忠晴に甘え過ぎに関しては何も言えない。
つくづくおぼっちゃま。執事無しでは生きていけない…!
…いや、俺がおばかということは、さておき。
《一度お帰り下さい》
《では、私めがお迎えに上がります。…なずなさんちですね?》
ま、まずい…。
忠晴が来るぞ。
一度お帰り下さいからの、お迎えに上がります…?
しかも、居場所もペロッと喋ってしまった。
連れ戻される…!