俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~

しまった。しまったぞ。

下手こいた…!



なずなの介護(…)をすると決めたのに、ここで家に連れ戻されるなんて、これは俺の意にそぐわないだろうが。

一度『帰らない!』と言い出した手前、簡単に引き下がるなんて出来ない。

けど、忠晴は来るぞ…?

姿を見せたら最後。俺は強制帰還だ。

俺の強制連行のために、我が家配置のSPを何人か連れてくるかもわからん…!



ど、どうしよう…!



スマホ片手にフリーズして真っ青。



「…おまえ、さっきから真っ青であわあわしてるけど、何やってんの」



すると、またしてもなずなから冷ややか声で話しかけられた。

口元引き攣らせて、やれやれと呆れているよう。

だが、そんな切ない塩対応を悲しんでいる場合じゃない。

このままだと怒りの忠晴登場、SPによる強制帰還という、もっと切ない出来事が待ち受けているぞ…!



「た、忠晴が迎えに来る…!」

「…帰ればいいじゃん」

「な、何故即答?なんでそんなに冷たいんだよ!」



思わず反論してしまった。塩対応される切ない状況に突っ込むつもりはなかったのに。

< 382 / 541 >

この作品をシェア

pagetop