俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
しまった。しまったぞ。
下手こいた…!
なずなの介護(…)をすると決めたのに、ここで家に連れ戻されるなんて、これは俺の意にそぐわないだろうが。
一度『帰らない!』と言い出した手前、簡単に引き下がるなんて出来ない。
けど、忠晴は来るぞ…?
姿を見せたら最後。俺は強制帰還だ。
俺の強制連行のために、我が家配置のSPを何人か連れてくるかもわからん…!
ど、どうしよう…!
スマホ片手にフリーズして真っ青。
「…おまえ、さっきから真っ青であわあわしてるけど、何やってんの」
すると、またしてもなずなから冷ややか声で話しかけられた。
口元引き攣らせて、やれやれと呆れているよう。
だが、そんな切ない塩対応を悲しんでいる場合じゃない。
このままだと怒りの忠晴登場、SPによる強制帰還という、もっと切ない出来事が待ち受けているぞ…!
「た、忠晴が迎えに来る…!」
「…帰ればいいじゃん」
「な、何故即答?なんでそんなに冷たいんだよ!」
思わず反論してしまった。塩対応される切ない状況に突っ込むつもりはなかったのに。