俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
つい、声を張り上げてしまった。
なずなが、陰陽師の仕事を出来ない…?
それは、なずなにとっては一大事なんじゃないのか?!
だとしたら、俺はなんて事を…!
しかし、俺の心中が滲み出て表情が強張ったのか、なずなは「まあまあ」と宥めてくる。
「そんな大声出さなくても…大気中に漂う微量な霊力吸って、自己回復含めて時間が経てばある程度は回復する」
「そ、そうか…」
息をするだけで、霊力って回復すんの?なんとも不思議なメカニズムだな。
なずなの人生を大きく変える一大事…本当に一過性のもので良かった。
「そこは伶士の心配するところじゃない。今はこんなんだから護衛は代わってもらうけど」
「………」
いやいや、俺、護衛のことなんて何も心配してない。むしろ忘れてた…。
…だが、これでも安心してはいけない。
一過性のものだろうが、そのうち回復しようが、やはりこの事態は一大事だったのだ。
「時間って…どのくらいかかるんだ?」
「このぶんだと元通りまでは一か月ぐらいかかるかな」
「はっ…?そ、そんなにかかるのか?!」