俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~

つい、声を張り上げてしまった。

なずなが、陰陽師の仕事を出来ない…?

それは、なずなにとっては一大事なんじゃないのか?!

だとしたら、俺はなんて事を…!

しかし、俺の心中が滲み出て表情が強張ったのか、なずなは「まあまあ」と宥めてくる。



「そんな大声出さなくても…大気中に漂う微量な霊力吸って、自己回復含めて時間が経てばある程度は回復する」

「そ、そうか…」

息をするだけで、霊力って回復すんの?なんとも不思議なメカニズムだな。

なずなの人生を大きく変える一大事…本当に一過性のもので良かった。

「そこは伶士の心配するところじゃない。今はこんなんだから護衛は代わってもらうけど」

「………」

いやいや、俺、護衛のことなんて何も心配してない。むしろ忘れてた…。



…だが、これでも安心してはいけない。

一過性のものだろうが、そのうち回復しようが、やはりこの事態は一大事だったのだ。



「時間って…どのくらいかかるんだ?」

「このぶんだと元通りまでは一か月ぐらいかかるかな」

「はっ…?そ、そんなにかかるのか?!」

< 386 / 541 >

この作品をシェア

pagetop