俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
「ま、真っ黒焦げって!で、でも今は」
現状と聞かされた事実の違いに戸惑いを隠せず、狼狽えながら、なずなが向こうにいるドアと玲於奈を交互に見る。
その玲於奈は特に反応することもなく、もさっとその場に立っているが。
「そりゃ、僕らが治癒しましたカラ」
「ち、ちゆ?!」
「いえ、尤も僕の治癒術式では回復させることは出来なかったんですけどネ。なので、僕のガーディアンである沙那ちゃんの【朱雀】の蘇生術で何とかなったのデスが。…駆け付けるのが数分遅かったら、手遅れでシタ」
「な、な…」
強すぎる魔族相手に、よく一人で乗り込んでいったとか。
真っ黒焦げとか、蘇生とか。手遅れとか。
聞いてるだけで、血の気が引いて目の前が真っ暗になりそうだ。
…こんな物騒な言葉らが、なずなの身に起きていたと思うと、気が気ではない。
でも、何故そんな事が起こったのかというと。
何もかも、全て…俺のせいだ。
「お、俺は…」
「ハイ」
「…俺は、何してたんですか?!なずなが黒焦げで死にかけた時…俺は、いったい何をしていたんですか?!」