俺のボディガードは陰陽師。～第五幕・白昼夢～

「あぁ、伶士クンがリグ・ヴェーダに狙われた理由はデスね。彼はどうやらとある大物魔族の復活蘇生を企んでいたようデスよ」

「ふ、復活…？」

「伶士クンを狙ったのは【夢殿】だからというよりも、【夢殿】故の大量の霊力を持つ器…その体だったそうデス。霊力が大きい肉体には、それだけ強い魔力を持つ魔族が順応
する。…伶士クンの肉体をその大物を与えて蘇生させるつもりだったんデス」

「……」

「…まあ、尤も。なずなサンが一人で殴り込みに行ったことで、わかった事実なんデスが。殴り込みを肯定してはボスに怒られそうですが、これは我々にとっては一歩前進デス」



俺の肉体を与えて、大物魔族を蘇生させるつもりだった？なんだそれは。

自分の身に起きようとしていた恐ろしいことのはずなのに、他人事のように思えるのは…残念過ぎるおねんねの件が余程ショックだったんだろうか。



奥歯を強くギリッと噛み締めて、額を押さえて項垂れる。

頭の中では、自分自身を責めるような言葉ばかり、ちらほらと過ぎる。



《なずなちゃんはいつもおまえをまもることばっかかんがえて…おまえなんかなにもできないくせに！》