俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~

ペンチャンお決まりのナレーションが流れて、ふと思う。



これから先、何が待ち受けていても、前を向いて進んでいくしかない。

明日のために、強く。



ちゃんと前を向いて、笑っていられる。…その為に、出来ること。

無いんだろうか。



(うーん…)



答えが出そうで、見つからない。

…でも、時は待ってくれない。

また、同じような事がそのうち起こる可能性の方が高いのに。

早く探さないといけないのにな…。



だけど今は、一緒にいる今だけは、ナーバスなことを考えるのをやめた。

今は、この腕の中の温もりとこの幸せ、味わっていたい。



「……おっ。そろそろ始まるぞ。旭川の雪中散歩」

「……」



返答がない。

もしやと後ろから顔を覗き込んでみるが…あぁ、ヤツはペンチャンの魔力にやられてしまったようだ。

気持ち良さそうに寝息をたてて、おねんねしてる…。



だが、そんな寝顔を見せられると、口元が緩んでしまう。

噛み締める幸せの一口だった。



…でも、この雪中散歩の回、もう一回見せるからな。

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