俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
護られる立場でイライラ…ふーん。
今の自分と少し重なる部分もありけり。理由は違うが、颯太同様、俺もちょっと興味が出てしまう。
「けど、しかし!卑劣なテロリスト集団相手に、警護にあたっていた部下たちは次々とやられちゃうのよね。みんなズタボロ病院送り。ピザまんは意識不明の重体!捜査二課長、すごい迫力だったよ。『ピザまああぁぁんっ!うおおぉぉぉっ!』って」
「ピザまん?」
「捜査二課長の部下の川下ヒサコ。女優の羽野エミリー。いつもピザまん食べてるからピザまん」
待て待て待て待て。
「……で?」
「おっ。伶士も興味津々?」
「ホントにあの美魔女母ちゃんに勧める気か」
気付けば話に食い付いていたのは、言うまでもない。
そして、みんなの注目を集めていた美森は、漫談師のように流暢に語る。
「で、自分の警護にあたったがために、メインの部下がみんなやられて、捜査二課長ブチギレ」
「そこから捜査二課長の無双状態が始まるのですわ」
「無双状態?」
陣内はうんうんと笑顔で頷く。
…こいつ、密かにこのドラマにハマってんな。