俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
まだ見た目を気にしてるのか、パーカーのフードを被ったままでいるけど。でも、その隙間から覗く激ヤセの顔は、昨日と比べても幾分かふっくらとしていた。顔色も良い。
まだ完全復活とはいかないが、良い感じで回復してきてるのではないか?
「今日は重湯をお召し上がりになりましたものね」
「うん」
横にいた忠晴の嬉しい報告に、なずなも頷いている。
そうか。食事も…!
重湯?本当に内臓を摘出した術後の患者さんのようだ。
忠晴は先に中へと入り、二人並んでゆっくりと廊下を歩く。
目に見える回復ぶりは嬉しいもの。
「霊力はどうなんだ?ちょっとは…」
「ホントにちょっとだよ。ヨーテリの姿が少しの間見えるぐらい」
「…ヨーテリ来てるの?」
「そりゃ私の式神だもん。でも、姿を現すには私の霊力を消費しなくちゃならないから、自重してるけど」
「そうですか…」
そういうカラクリなのか。
確かに、なずなと同じ布団で寝てるなんて知れたら、タマのひとつやふたつ噛みちぎられるような気がする。
なずなに霊力が無いのを良しとすべきなのか…。