俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
その一つ…かつての時代、【夢殿】の予知によって、災害を免れた結果、実り多き土地となり、飢饉を免れたというエピソードがあった。
笑顔だってあったのだ。
故に、この力は決して『悪い』ものではない。
手にした者、利用しようとした者が、悪用してしまっただけのこと。
曾祖母・橘美頼の時代で言えば…戦争にノリノリだったお偉いさんたちだ。
…ようするに。
この【夢殿】の力が、もし覚醒してしまったとしても。
そんな悪いひとたちの手に渡らなければ…悪用されなければ済む話なのではないか。
そうすれば、世界を犠牲にすることもないし、平和の均衡を崩すこともない。
まあ…口では何とでも言えてしまうだろうな?
もしこの予知夢の力が覚醒してしまえば、付け狙ってくるヤツらがどんどん現れるのだろう。
…だが、そこで俺が思い付いたこととは。
だったら、悪いやつらの手に渡らないよう、俺自身がなんとかすりゃいいんじゃねえのか?
そんな、シンプルな答えだった。
(そうだ…)
『世界平和も大事な部下も俺自身の身も、俺が絶対に護ってみせる!』
『俺は、俺の中の俺を超える!』