俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
…そこから、この捜査二課長のありがたいお言葉へと繋がっていく。
そうだ。俺を護るボディガードのなずなが、身を危険に晒して何とかするのではない。
俺が、俺自身を護ることが出来れば、先日のような…なずなが俺を救い出そうと身を投じて、ボロボロになることもない。
予測される争乱の火種も、混沌とするかもしれないその未来も一つずつ、潰していけば良い話じゃねえのか?
俺の、この手で…。
…俺には、何が出来るのかって?
それが、出来るんだよ。
正確には…昨日の『記憶』で、それを確信した。
この力を引っ提げて、俺は、世界の安寧も、大切な人たちのこれからあるであろう幸せや未来も、自分自身もこの手で護る、その為に。
俺は、想像の中の俺を…越えるんだ。
今から、これから起こることは。
その、第一歩。
住宅街から離れた野っ原に足を踏み入れる。
一歩、二歩。
ーーー三歩目。
踏み込んだ、その時。
(…来た)
強大な寒気が、ブワッと背中を包み込み、背筋を凍らせる。
『…このような状況で、単独でいるとは。その命、もう必要ありませんか?』