俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
ーーー本日、帰宅した際。
とある一人の魔族が、我が家を訪れる。
俺との接触を、目的に。
その魔族には、この家に張ってある結界が通用しない能力を持っているため、堂々と乗り込んでくる。
…それが、夢の中で察知した『虫の知らせ』だ。
予知ではない。あくまでも、虫の知らせ。
と、言い切りたいんだけど。
だから俺は、帰宅の際、家の中には入らず、むしろそこから離れた。
…家には、なずながいる。
未だ戦闘不能に等しい、なずなが。
離れて正解だった。
目の前にいる魔族は、今までお会いした連中とは格が違う…と、見た感じでそう思ってしまう。
筋肉番付のようにムキムキともしてないし、言葉遣いも粗暴でなく、単細胞っぽくもない。今までとは違うタイプなもんだから、余計警戒してしまうのだろう。
「…我が名は、黒曜鬼…」
今までとは違うタイプの魔族の彼は、丁寧に自己紹介をして、不気味にニヤリと笑う。
目のギラつき具合も増した。
「流石、聖域の力を持つ【夢殿】といったところですね?まあ…その聖域の力が目覚めては困るのですが」