俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~

聖域…その情報もざっとではあるが、『記憶』から頭の片隅に置いてある。

要は、こいつらにとっては、忌々しく恐れる場所だ。

【夢殿】は、この場所にある力を借りて、予知夢を見るらしい。



聖域の力が目覚めては、困る…?



その理由をはじめ、奴らの企み、俺を狙う理由も全部…実は、夢の中で全て知ってしまった。

なので、質問は一切無い。しかし、問い返さず黙っていると、向こうがご親切に勝手に語り始めるのであった。



「我々には、貴方の身体が必要だ。その大量の霊力を溜め込んでおける『器』。全て魔力に変換してしまえば、あの御方の『核』に耐えることが出来る…実に、魅力的だ」



何かに取り憑かれたように、うっとりとしながら主張を展開している。

正直、ひどく不気味だ。今までお会いした強引な筋肉ダルマな魔族とは違うからだろうか。

すっかり陶酔している彼を前に、警戒を強めないわけにはいかない。



「…まさか、あの【花魁女郎蜘蛛】が、たかが人間の小娘に滅されるとは予想外だったが…そんなもの、この『器』が手に入ればただのイベントに過ぎない…」

< 476 / 541 >

この作品をシェア

pagetop