俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~

俺、呼ばれてる?何故?

今初めてお会いした御方に手招きされることに疑問を持ち、首を傾げる。

だが、「まあまあ来てきて!」とあまりにも急かされるので、勢いに乗せられるように席を立ってしまった。

傍へと近付くまで、まだしつこく手招きされる。

そして、少年は衝撃の一言を告げるのであった。



「せっかくだから、見てくんねえかな?俺の自慢の妹を!かわゆいだろー?」

「い…」



い、妹…!

この赤ん坊、彼の妹だったわけ!…の割には随分と歳が離れてるような。



「…あ、ごめん伶士くん!こいつ、美奈人っていうんだ。怪しい者じゃないよ?」

「咲ちゃんがそれ言っちゃう?わははー!」



咲哉さんが我に返って、俺に彼のことを遅らせながらも紹介してくれる。

遠回しに怪しい者扱いされた彼は、なぜか急に大爆笑しちゃった。



「俺、雨宮美奈人。ぴちぴちの中三だよー?シクヨロ」



中三!…二個下か!納得なのか何なのか。シクヨロ?

妙に感心しているその傍で、その美奈人とやらは「そんでー…」と、ベビーカーの赤ん坊を抱き上げる。

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