俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
「それはわざわざご丁寧に!オーナーは今買い出し行ってて…」
「…私がなんだって?」
気が付くと、開けっぱなしになっていたお店のドアの向こうには、いつの間にか。
段ボールを逞しく右の肩に担ぎ、左手にはビニール袋をぶら下げている女性が立っていた。
引っ詰めているも、無造作お団子ヘアの長身のスラッとした女性で、奥様雑誌のモデルのように爽やかな雰囲気を持つ人だ。そして、年齢不詳。
「おー!神威!」
「オーナーいつの間に!気配消して近付かないで下さいよ!」
「あはは。ごめん」
咲哉さんは、オーナーと呼んだ女性にすぐ様駆け寄り、肩の段ボールを奪い取ってカウンター内へと持っていく。
彼女は笑っているが…。
この人がペンタグラムのオーナー。女性だったんだ…。
「お、美奈人。お客さん巻き込んで何を騒いじゃってんの」
そこでオーナーと目が合ってしまう。「いらっしゃいませ」と小さく頭を下げられた。
すると、カウンターの方から咲哉さんの声がする。
「オーナー!その子が橘社長の次男さんです!」
「おっ。そーなの」