SOAD OF WOULD
王宮内に入ると、フェイ王子とホワイさんがすでにいた。
「フェイ王子!只今、帰還しました。」
「その男が、彼ですか。」
「はい。あの、この男…体が冷え切っていて苦しそうにしているんです。」
「なんと!では、部屋を用意させよう。治療してあげるように。」
「フェイ王子。見ず知らずの怪しい者にそこまでする必要はないかと。」
「まぁ、良いではないか。ホワイ。」
「わかりました。では、早急に準備を致します。っと、その前に武器は?」
「オレが持っています。」
「そうですか。では、王子に預けておいて下さい。」
「はい。」
「では、エミネス行きますよ。フェイ王子、失礼いたします。」
「はい!」
「ホワイ、頼みますよ。」
俺達はその場を去った。
部屋の一角にて。
「ここにしましょう。ベットに寝かせて…後は、やり方は分かりますね。」
「はい。僕にも出来ます。」
「では、頼みますよ。」
「はい。任せて下さい。」
俺はそう言ってから一礼し、部屋の中に彼を連れて行きベットに下ろした。
「………う…っ。こ…ころ…る。」
また、寝言が始まった。
最後の語尾が聞こえずらい。
額に手を当てると凄く熱かった。
彼、熱が出てるのか。
早く冷ましてあげないと!
僕はすぐさまタオルに冷水をかけ彼の額に置いた。
そうすれば、彼は少し気分が良くなったのか…
穏やかな顔になった。
本当なら、服も換えてあげたいが
彼が着ている服の脱がし方が分らないので
そのままにするしかなかった。
まぁ、よく寝てるし…ここで見張っていれば良いかな。
廊下にいる兵士に、
「あ、そこの君。」
「エミネス隊長!どうなされましたか!」
「うん。フェイ王子に僕がこれから見張り兼、看病するって伝えてきて。後、完治したら彼をどうするのかも聞いてきて。」
「はっ!では、行ってまいります!」
「うん。宜しくね。」