SOAD OF WOULD
微笑んでいるであろう俺に、
先程の奥さんが声をかけてくれた。
『あ、ありがとうございます!なんと、お礼を申し上げたら。』
『そんなの構いませんよ。俺にもこいつに用があっただけですし。』
『おにいちゃん!』
『きみちゃん。大丈夫やったか?』
『うん。』
『それは、良かった。じゃ、そろそろ行くね。』
そう言って立ち去ろうとすると、部屋の中にいた住民たちが
出てきて、
『ありがとう。これで、怯える生活もなくなった!』
『兄ちゃん、小さいのに強いなぁ。』
など、何故か称賛の声が聞こえた。
『まだ、俺の目的は終わってないので行きます。すみませんが道、開けてくれますか?』
そうすれば、町の住民たちは俺の異様な気配を感じとったのか
サササッと、道をあけてくれる。
『そうだ。その遺体…』
言い切る前に一人の男が声をあげる。
『兄ちゃん、大丈夫や!俺がなんとかするわ!』
そう、言ってくれる人がいたので
『では、お手数かけますが宜しく頼みます。』
とだけ言いその場を去った。