SOAD OF WOULD
そこには、太った浜寺のおじさんがいた。
あの時、わざわざ父上の事を呼びに来て…
お墓まで作るのを手伝ってくれた人が目の前にいた。
女の声で言う。
『おじさん!起きて!』
『う…な、なんや…?』
おじさんはうっすらと目をあける。
『ひいいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!』
ものすごく目を見開いていた。
『おじさん。あの時は大変、お世話になりました。
今では私の家族を殺したお金でのうのうと裕福な
生活を送ってはるんやね!
そんなに太っちゃって!たったの半年しかたってないのにー!』
『あれは…!ちゃうんや!』
『何が違うんです?教えて下さい!』
ニコニコしながら尋ねる。
『ちょっとした出来心や…!さつきちゃ――――』
『その名前を貴方の口から言わんといてくれはる?虫唾がはしるから!』
ゴクリと唾を飲み込むおじさん。
『アンタの父…親から聞いたんや少し金が入ってなぁ。
言うて。明日がアンタの誕生日やから
美味しい、野菜を買うて帰ったるって…。
その時に羨ましい。思うたんや…アイツを…。
お金が少し入った事に関して。
それから、次の日に町の裏通りに出かけたら、
情報を高値で買うてくれるって、書いてたんや。
そこで、俺は…情報を菊木に売ったんや。
ほんならな!三両もくれはったんや!!!
すごいやろう!あんな情報で三両――!』
『あんな情報…。』
ハッとするおじさん。
『分かってましたよね?それを菊木に売ったら、私の家族がどうなるかくらい。』
『…………………………………………。』
『貴方が要らん情報を売ってくれたおかげで、
一日に死ななくても良かった罪のない人が
殺されたあげく私の、たった一人の母さまと父さまは
死んだんですよ?』
『わる、悪かったぁぁあああ!!』
土下座をされ、しまいには俺の脚にしがみついてくる。
『命だけは助けてくれぇぇぇぇぇええええええ!!!』
『見てて、イライラしますよ。何とも思ってなかったくせに。俺の両親のことなんか気にもとめてなかったんでしょう?』
『そんな事はありませぇぇぇぇぇぇええん!!』
『そんな事あるでしょ、立派な屋敷を建てて、
豪華な服を着て、その上それなりに強い
用心棒も雇い、半年前まで痩せ細っていたのに
今では既に肥えている。
これだけの贅沢な生活をしといて…
まだ、命拾いするんですか?
ま、俺が来ることに怯えていたんでしょうね。
あの時も怯えてはりましたからね?』
『頼むぅぅぅうう!!命だけはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!!』
『嫌です。俺は許せません。』
人を殺したお金でのうのうと生活を送るような人間に―――
もし、神が許したとしても
俺は許さない。
コロス。